【こんな症例も治りますシリーズ 425】 犬の甲状腺機能低下症 も適切な診断と治療で治します

ワンちゃんの甲状腺の位置です。 ワンちゃんは甲状腺機能低下症になりやすいですが、ネコちゃんは甲状腺機能亢進症になりやすいのです。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3wJJbwY

 

犬 ボーダーコリー 13歳 メス 避妊手術済

【 最近少し元気がなく、毛並みも悪く、太ってきた。 老化のせいでしょうか 】とのことで来院されたワンちゃんです。

 

■ そこで、健康診断と合わせて血液検査を行いました。 すると、脂質系のコレステロール、中性脂肪の上昇が見られました。

 

 

■ この検査結果と症状から、甲状腺機能低下症が疑われましたので、血液中の甲状腺ホルモンの値を測定させていただきました。

 

 

■ すると、やはり甲状腺ホルモンの値が正常値以下でした。 診断名は、『 甲状腺機能低下症 』と言う事になります。

 

 

◆◆ 甲状腺は、甲状軟骨(ヒトでは、“のどぼとけ”といわれます)のすぐ下方で気管の両横にある、甲状腺ホルモンを分泌する内分泌器官で、甲状腺ホルモンは体の代謝を活発にするホルモンです。

 

 

 

 

◆ 甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモンの分泌が減少することによって、元気がなくなり、顔つきもぼんやりとし、脱毛、肥満、暖かい季節でも寒がるなどの様々な症状がみられる病気です。 高齢の犬で頻繫に見られます。

 

 

◆ 免疫機能の異常により自らの甲状腺を破壊したり、または遺伝性による甲状腺の機能不全、腫瘍や副腎皮質機能亢進症などが、原因と考えられています。

 

 

■ そこで、体内のホルモン量を補うために、合成甲状腺ホルモン薬を処方しました。

 

 

■ 1週間後に再来院して頂いてお話を聞くと、元気が出てきたそうです。 さらに1ヵ月後には毛並みも良くなり、5歳くらい若返った気がすると飼主様も喜ばれていました。

 

 

■ このお薬は、生涯投与し続けなければなりません。 そして、飲まなければいけない量は同じ犬でも状況によって変わってきますので、定期的に甲状腺ホルモン量を測定して決めていくことになります。

 

 

■ 今回のワンちゃんも定期的に来院されて、今も元気に暮らしています。

 

 

 

 

■ 以前より元気がない、太った、脱毛が進んだ、などといった症状が現れたらご来院ください。

 

 

 獣医師 天野雄策

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